2018年5月3日にBITMAINから新型ASIC「ANTMINER Z9 mini」がリリースされました。
その前にリリースされた私の中で未だ正体不明な「ANTMINER B3」を調べていた矢先のことでした。
Pleased to announce the Antminer Z9 mini, an ASIC miner to mine #Equihash-based cryptocurrencies. To prevent hoarding and to let more individuals worldwide get one, we’ve set a limit of one miner per user. Order here (https://t.co/LdIbpRrbgI) now while stock lasts!#AntminerZ9 pic.twitter.com/xJD58SKUfy
— BITMAIN (@BITMAINtech) 2018年5月3日
ざっと概要
簡単なスペックは
アルゴリズム: Equihash
ハッシュレート: 10,000 Sol/s
消費電力: 300W
Equihashとしては初のASICとなります。
ハッシュレートの単位「Sol/s」は「Solution/s」です。
Equihashでは「H/s」ではなく「Sol/s」を使用しているみたいです。
「H/s」とは名前が違うだけで意味は同じなので深く考える必要はありません。
GPU「NVIDIA GTX 1080 Ti」のハッシュレートが約600sol/sなので、約16倍です。
同じか少ないくらいの消費電力でこのハッシュレートです。
GPUマイニング終了のお知らせとなりそうです。
バッチ1の価格は1,990ドルで発送が6月下旬のようです。
BITMAINから私の元に届いたメールによると購入制限があり、1人1台のみ購入可能です。
掘れる通貨は?
Equihashを使っているコインはZcashが代表選手ですね。
他にも数種類あり、時価総額が一番高いのはBitcoin Goldです。(2018年5月4日現在)
Zcashの時価総額はBitcoin Goldとほぼ同じで二番手です。
時価総額順に並べると以下のようになります。
- Bitcoin Gold(BTG)
- Zcash(ZEC)
- Bitcoin Private(BTCP)
- Komodo(KMD)
- ZenCash(ZEN)
- Zclassic(ZCL)
- BitcoinZ(BTCZ)
- Hush(HUSH)
- Zero(ZER)
恥ずかしながら、このZ9のリリースでEquihashというアルゴリズムを初めて知りました。
Zcashなどポピュラーなコイン自体は知ってましたが、アルゴリズムまでは知りませんでした。
ということで、調べたてのにわか知識です。スイマセン。
報酬は?
例によってNiceHashさんに試算してもらいます。
1日あたりの報酬が約0.0038BTC、約4,000円です。
1か月あたり約0.1BTC、約100,000円です。
消費電力を考えるとかなり効率の良いマシンと言えます。
今のところですけどね。
期待できる点
タイトルにも書きましたが、個人的には良いマシンじゃないの?と考えています。
1. 時価総額の高い通貨が複数採用している
Equirhashを採用している通貨は全9種類と多くはないですが、それでも複数あります。
その中で時価総額ランキング50位以内にランクインしているポピュラーな通貨が3通貨あり、100位以内なら4通貨あります。
3通貨の時価総額は私お気に入りの通貨QASHよりも高いです。
しかも時価総額だけでなく流動性もそこそこあります。ここ大事。
流動性があるということは、いろいろな取引所で活発に取引されているということですから。
2. 掘れなくなる可能性が低い
時価総額が高い複数の通貨が採用しているということは、草コインと違ってフェードアウトする可能性が低いので掘れなくなる可能性も低いと言えます。
それら通貨が反発してハードフォークでもしたら話は別ですけど。
3. 消費電力が低い
「消費電力=経費」なので低いに越したことはありません。
マイニングに限らず、経営でも家計でも言えることですが、経費が高いと損益分岐点も高くなってしまい収益を圧迫します。
マイニングの報酬が下がってきている昨今では経費を抑えて利益を確保することが大切です。
懸念材料もあります
Equihash採用通貨で時価総額トップ2のBitcoin GoldとZcashが早速Antminer Z9についての声明を出しています。
両者とも歓迎はしていないようですね。
Bitcoin Goldの声明抜粋ですが、わざわざ太字で「受け入れられない」としています。
フルバージョンはコチラ
記事を読みこむとアルゴリズムの変更にも言及しています。
しかし、直ちにというわけではなく、様々な検証をして決定するようです。
Zcashはツイッターで声明を出しています。
Never a dull moment in crypto! We’re aware of the Bitmain announcement. ASIC resistance is an important topic. Join the Zcash forum and engage in the conversation. https://t.co/b9knNTZAXU
— Zcash Company (@zcashco) 2018年5月3日
Bitcoin Goldほど語気は強くないですが、コミュニティで意見交換をしながら決めていくようです。
しばらくは静観ということですかね。
過去を振り返ると
Antminer A3がリリースされたとき、SiaCoinが反発しましたが、結局ハードフォークしませんでした。
今でもA3でSiaCoinのマイニングができます。
報酬が落ちてきたとはいえ、今でもBTCより掘れています。
最近ではAntminer X3とMoneroの一件もありました。
Moneroが2018年4月にアルゴリズムを変更しましたのでX3でMoneroを掘ることができなくなりました。
いつのまにかNiceHashからもX3の名前が消えています。
Antminer E3とEthereumもそうですね。
こちらはE3のバッチ1がまだ発送されていないようなので、今後どうなるのか注視です。
どの通貨のコミュニティを見ても「賛成派」と「反対派」がいるので、簡単に決められる問題では無いようです。
Antminer Z9 miniはどちらに転ぶのか!?
あと気になる点といえば、その名称。
「ANTMINER Z9 mini」なんですよねミニ。
わざわざ名称に「mini」を付与するということは、将来ミニじゃない「Antminer Z9」を出す気があるってことですよね!?
そうなったら、ハッシュレートも高くなるでしょうから、Antminer Z9 mini終了のお知らせとなるかもしれません。
果たしてワンチャンあるか!?